遊び方(5) - 戦闘ルール

戦闘手順

戦闘はターン制、位置や移動の概念を省いた抽象戦闘です。

ターン内の行動順(2001/3/5 ルール改訂)

各ターンの最初に、戦闘に参加する全てのキャラクターの行動順を決めます。

基本的に、レベルの高いキャラクターから順に行動します。ペルソナ使いのレベルは、ペルソナチェンジによって、ターンごとに変動し得ます。注意してください。

キャラクターは任意に行動を遅らせられます。遅らせたい時は、自分の手番が回ってきた時に「誰の行動の後で行動」と宣言してください。

レベルが同点のキャラクターがいた場合も、同時行動にはなりません。

PC同士で同点なら、PC間の相談で行動順を決めてください。NPC同士なら、GMが好きなように順番を決めてください。

PCとNPCとの間でレベルが同点なら、PCが先に行動できます。敵の行動の後で行動したければ、前述の方法で行動を遅らせてください。ここは完全にPC有利です。

※改訂前は、同レベル間の行動順について明記していませんでした。

キャラクターの行動の決定

いわゆる「行動宣言」の手順はありません。順番が回ってきたキャラクターが、その場で行動を決定できます。

キャラクターが1ターンのうちに取れる行動は、次の通りです。

戦闘終了条件

味方、敵、どちらかが全滅すると、戦闘は終了します。

全滅しなくても、逃亡したり、降伏したり、無力化したりすれば、戦闘は終了します。

戦後処理

戦闘が終わると、生き残ったペルソナ使いは、自動的に充分な休息を取ったものとみなして、即座に手札が5枚に回復します。

但し、間を置かずに新手の敵が現れた、など、休息を取れる状態ではないと判断したなら、GMは回復を認めなくてもかまいません。

単発シナリオや、非常に短いキャンペーンの場合、戦闘のたびにPCにレベルアップ処理を認めてもかまいません。

攻撃手順

キャラクターが敵を攻撃する場合は、以下の手順で解決してください。攻撃を行ったキャラクターの手番はそこで終了します。

※ペルソナTRPGでは、剣、銃、魔法の攻撃手段を区別しません。キャラクターは状況に合わせて自動的にこれらの攻撃を使い分けていると考えてください(ランクアップのためにたいてい魔法攻撃していることでしょう(死))。

攻撃対象決定

どの敵を攻撃するか決めます。通常は単数攻撃になります。

条件を満たせば(後述)複数回攻撃や全体攻撃を行えますが、その場合でも、まずどの敵を狙うかを宣言しなければなりません。

全体攻撃を行う場合でも、この段階では周囲のキャラクターに全体攻撃を予告する必要はありません。敵NPCが味方のPCを攻撃した場合、それ以外のプレイヤーは、全体攻撃かどうか冷や冷やしつつ見守らなければなりません。

攻撃側の攻撃カード

攻撃するキャラクターは、攻撃カードを裏向けて出します。通常は1枚です。

攻撃キャラクターがペルソナ使いなら、手札から選択して出します。ザコ悪魔なら山札から1枚だけ出します。一般人はそもそも攻撃ができません。

防御側の防御カード(2001/3/5 ルール改訂)

攻撃されるキャラクターは、防御カードを裏向けて出します。通常は1枚です。

防御キャラクターがペルソナ使いなら、手札から選択して出します。ザコ悪魔または一般人なら山札から1枚だけ出します。一般人でもとりあえず防御カードは出せます。

防御キャラクターが「行動不能」の場合、防御カードを出せません。仮想的に「スートのない数値ゼロのカード」を出したものとして処理します。つまり防御カードによる回避ができませんし、カードの数値比較でも必ず負けて追加ダメージを受けます。ピンチですね(死)。

※改訂前は、「行動不能」なキャラクターの防御カードについて明記していませんでした。

命中判定

攻撃カードと防御カードのスートを比較します。スートが同じだった場合、防御側が攻撃を「見切った」ことになり、攻撃は失敗です。

次に、攻撃カードと、防御側のペルソナカードのスートを比較します。スートが同じだった場合、防御相性で「無効化した」ことになり、攻撃は失敗です。

両方のチェックにパスしたなら、晴れて攻撃命中です。ダメージ判定してください。

ダメージ判定

まず、基本ダメージは、常にゼロです。

攻撃キャラクターと、防御キャラクターのレベルを比較します。攻撃キャラクターの方がレベルが高いなら、ダメージが1点増えます。同点の場合はダメージは増えません。

次に、先ほどの攻撃カードと防御カードの、今度は数値を比較します。攻撃カードの方が勝っているなら、さらにダメージが1点増えます。万が一同点だったなら、クリティカルとしてダメージが2点増えます。

最終的に、ダメージは0点(レベルでもカードでも負けた)から、3点(レベルで勝ち、さらにカードが同点)の間になります。

ダメージの適用

ダメージは即座に適用します。一般人なら1点のダメージで「死亡」です。ザコ悪魔なら「行動不能」または「消滅」します。

ペルソナ使いへのダメージは、手札枚数の減少で表します。

減少後の手札枚数が、今持っている手札より少ない場合、プレイヤーは手札を選んで捨てなければなりません。

減少後の手札枚数が、今持っている手札と同じ場合、何もする必要はありません。山札から補充できないだけです。

減少後の手札枚数が、それでも今持っている手札より多い場合は、足りない枚数だけ山札から補充します。

特殊な攻撃(1) - 全体攻撃

攻撃キャラクターが出した攻撃カードが、絵札、エース、またはJOKERだった場合、この攻撃は全体攻撃になります。

全体攻撃では、まず直接狙われた対象との間で、通常どおり命中判定、ダメージ判定を行います。

それが終わったら、同じ攻撃カードで、場にいる残り全ての敵に攻撃を仕掛けます。

残り全ての敵に対して、命中判定、ダメージ判定を通常どおり行います。敵はそれぞれ防御カードを出さなければなりません。攻撃カードはすでに表向けられていますので、手札に恵まれていれば回避するのはそれほど難しくはないでしょう。

特殊な攻撃(2) - 複数回攻撃

以下の条件のいずれかを満たせば、攻撃カードを複数枚出して、複数回攻撃を行えます。

  1. 出すカードが全て同じ数値
  2. 出すカードが全て、自分のペルソナカードと同じスート

攻撃カードを複数枚出した場合、1枚1枚がそれぞれ一回の攻撃となります。攻撃カード1枚ごとに通常の命中判定、ダメージ判定を行います。

複数回攻撃は、全て同じ対象を狙わなければなりません。例えば2回攻撃で2体の敵に1回ずつ攻撃することはできません。

防御側は、一度だけ防御カードを出します。この防御カードで、複数回攻撃の全ての判定を行います。

「行動不能」に陥っていないザコ悪魔に対して、この方法で一度に複数回のダメージを与えた場合、ザコ悪魔は「行動不能」ではなく、即座に「消滅」します。

全体攻撃と複数回攻撃の複合

複数回攻撃が、さらに全体攻撃である場合もあり得ます。Kを2枚出した場合などです。

この場合も、特別な処理は行いません。単純に、枚数分だけ全体攻撃を行ってください。但し手順が多少煩雑になります。

特殊な防御 - 多重防御

複数回攻撃と同様、防御側も複数枚のカードを出して、攻撃回避の確率を上げることができます。これを多重防御と呼びます。

複数枚のカードを出せる条件も、複数回攻撃と同様です。(但し「全て自分のペルソナカードと同じスート」という出し方は、結果的に全く意味がありません)

多重防御を行ったキャラクターは、出したカードのスート全てを見切ることができ、回避の判定を行えます。

ペルソナカードがスペード(暗黒)のキャラクターは、ハート、ダイア、クラブの多重防御を行えば、(ハート、ダイア、クラブの攻撃を「見切り」、スペードの攻撃は「無効」なため、)あらゆる攻撃を回避できることになります。

万が一、多重防御をかいくぐって命中打を受けた場合は、防御側は多重防御で出したカードの中で最大の数値を用いて、ダメージ判定を行います。

回復/蘇生魔法使用手順

キャラクターが回復や蘇生のための魔法を使いたい場合は、以下の手順で解決してください。これらの魔法を使用したキャラクターの手番はそこで終了します。

※ペルソナTRPGでは、回復/蘇生魔法を使用できるのはペルソナ使いのみです。ザコ悪魔や一般人は回復/蘇生魔法を使用できません。(あんまりだと思われるなら、GMの判断で、特定のザコ悪魔に回復能力を与えてもかまいません。この能力はカードを消費しないことにしましょう)

ディアラハン(単体回復魔法)使用手順

ディアラハンを使うには、手札の中に、自分のペルソナカードと同じスートの、絵札、エース、またはJOKERを持っていなければなりません。

ディアラハンを宣言して、前述のカードを捨てます。これでディアラハンが発動します。

対象として、自分自身、または、「瀕死」ではない味方の誰かを指定してください。対象は手札が5枚に回復します。

※序盤の低レベルキャラが「ディアラハン」ではおかしいと思うなら、「ディア」「ディアラマ」でもかまいません。ご自由に。いずれにせよ手札は一気に5枚まで回復します。低レベルキャラは「ディア」一発で全快できるのです。

メディアラハン(全体回復魔法)使用手順

メディアラハンを使うには、手札の中に、自分のペルソナカードと同じスートのエース、またはJOKERを持っていなければなりません。

メディアラハンを宣言して、前述のカードを捨てます。これでメディアラハンが発動します。

自分自身も含め、「瀕死」ではない全ての味方の手札が5枚に回復します。条件が厳しい代わりに、とても強力な回復手段です。

※序盤の低レベルキャラが「メディアラハン」ではおかしいと思うなら、「メディア」「メディアラマ」でもかまいません。ご自由に。いずれにせよ手札は一気に5枚まで回復します。低レベルキャラは「メディア」一発で全快できるのです。

リカーム(単体不完全蘇生魔法)使用手順

リカームを使うには、手札の中に、自分のペルソナカードと同じスートの、絵札、エース、またはJOKERを持っていなければなりません。

リカームを宣言して、前述のカードを捨てます。これでリカームが発動します。

対象として「瀕死」状態の味方の誰かを指定してください。対象は手札が1枚だけ回復し、とりあえず息を吹き返します。

サマリカーム(単体完全蘇生魔法)使用手順

サマリカームを使うには、手札の中に、自分のペルソナカードと同じスートのエース、またはJOKERを持っていなければなりません。

サマリカームを宣言して、前述のカードを捨てます。これでサマリカームが発動します。

対象として「瀕死」状態の味方の誰かを指定してください。対象は手札が5枚に回復し、完全に息を吹き返します。

リカームドラ(自己犠牲・全体完全蘇生魔法)使用手順

リカームドラを使うには、手札の中にJOKERを持っていなければなりません。

リカームドラを宣言して、JOKERを捨てます。これでリカームドラが発動します。

「瀕死」状態の味方は全員、完全に息を吹き返します。「瀕死」だった者も、そうでない者も、全ての味方の手札が5枚に回復します。

但し、代償としてリカームドラを使用した術者自身が手札を全て失い「瀕死」になります。

回復/蘇生魔法と手札の補充

回復/蘇生魔法で使用した手札は、もちろん通常どおり山札から補充できます。

回復/蘇生魔法の使用条件まとめ

自分のペルソナカードと同じスートの絵札を使うと、「ディアラハン」または「リカーム」を使用できます。

自分のペルソナカードと同じスートのエースを使うと、上記に加えて「メディアラハン」または「サマリカーム」も使用できます。

JOKERを使うと、上記に加えて「リカームドラ」も使用できます。

非戦闘時の回復/蘇生魔法について

回復/蘇生魔法を唱えるには高度な精神集中が必要である、と定義します。絵札を消費することで、戦闘中でも必要な精神集中を得られたことを表現します。

非戦闘時に回復/蘇生魔法を唱えるには、絵札などのカードを必要としません。常に充分な休息と精神集中ができるため、無条件で成功します。

ペルソナチェンジ手順

ペルソナチェンジの手順は、一般ルールのペルソナチェンジの項を参照してください。ペルソナチェンジを行ったキャラクターは、引き続き別の行動を取れます。

※もちろんペルソナ使いのみがペルソナチェンジを行えます。

手札交換手順

手札交換を行う場合は、まず手札を好きなだけ捨ててください。次に、捨てた枚数だけ山札からカードを補充してください。これで手札交換は終わりです。手札交換を行ったキャラクターの手番はそこで終了します。

このオプションは、戦闘中以外では認められません(非戦闘時に認めると、事実上、手札を自由に選択できてしまいます)。

※言うまでもないことですが、ペルソナ使いのみが手札交換を行えます。

交渉手順

ペルソナ使いは、ザコ悪魔1体に対して交渉を試みることができます。交渉を試みたキャラクターの手番はそこで終了します。

交渉が成功すると、対象となった1体のザコ悪魔は友好的に去っていきます。去り際に何かくれるかもしれません。現金数百円(死)くらい。

交渉を試みる場合は、行為判定ルールで解決してください。難易度は、ペルソナ使いの方がレベルが高いなら「容易」、同レベルなら「通常」、ザコ悪魔の方がレベルが高いなら「至難」です。

但し、ペルソナ使い側が出すカードのスートは、交渉相手のペルソナカードのスートと同じでなければなりません。このスートのカードを持っていなければ、そもそも交渉を行えません。

あと、これはルールでは規定しませんが、交渉を行う際には、できるだけ具体的に交渉方法を宣言してください。「歌う」「自分の特製ブロマイドを渡す」「拳で語る」など。

無力化手順

相手を殺さずに、後頭部を殴って気絶させる、縛り上げる、ペトラアイズ(!)などで無力化したい場合は、以下の手順で解決してください。

無力化を試みたキャラクターの手番はそこで終了します。

無力化の判定(2001/3/5 ルール改訂)

まず、無力化攻撃を仕掛ける側が、難易度「至難」で行為判定を行います。失敗すれば、敵を無力化できません。

成功したら、今度は無力化攻撃を受けた側が対抗するために、難易度「容易」で行為判定を行います。これに成功すれば、無力化を免れます。失敗した場合、対象は無力化します。

※改訂前は、一般人やザコ悪魔は、無力化に対抗できませんでした。

※このルールに従えば、無力化攻撃の成功率は、相手の実力に関わらず約15%です。

無力化からの回復(2001/3/5 ルール改訂)

無力化したキャラクターは、一時間おきに回復判定を行えます。これは難易度「容易」の行為判定です。成功すれば無力化状態から回復します。

※改訂前は、一般人やザコ悪魔は、自力では無力化状態から回復できない、としていました。

気絶していたなら目覚めます。縛り上げられていたなら自力で縄を解きます。石化していたなら生身に戻ります。

または、パトラやペトラディなどの魔法を設定するとまた面倒なことになるのでディアラハンもしくはメディアラハンによって、手札の回復と同時に無力化から回復できることにしてください。もちろん無力化している者自身は回復魔法を使えません。

逃亡手順(2001/3/5 ルール改訂)

逃亡は、とりあえずキャラクター一人一人がバラバラに行うものとしてください。もちろん、逃げ道がない場所では逃亡できません。

逃亡を試みたキャラクターの手番はそこで終了します。

敵から逃亡を計る場合は、全ての敵より先に行動できれば、無条件で逃亡できます。安全な場所で、他のメンバーが逃げてくるのを待っていてください。

自分より先に行動する敵がいて、それでも逃亡したい場合は、難易度「至難」で行為判定を行ってください。成功すればなんとか逃亡できます。

失敗すると逃亡できませんが、特にペナルティなどはありません。次のターンにはもう一度逃亡を試みることもできます。

※改訂前は、常に行為判定が必要である代わりに、判定の難易度は「容易」でした。

パス手順

パスには、特に手順はありません。単に次の人に行動順を回してください。

一応、パスするくらいなら手札交換した方が有利です。

その他の行動手順

その他の行動については、GMに一任します。場合によっては、何らかの行為判定を行うことになると思います。

手札の補充

一人の手番が終わったら、その回の判定に使用した手札を即座に山札から補充します。補充する順番は適当でかまいません。

ダメージを受けたキャラクターは、補充できるカードが減少、または補充できません。最悪、余剰分の手札を捨てなければなりません。

移動